カテゴリー ‘茶創り’

パークハイアット東京・ピークラウンジ 「プレシャス ティータイム」

2012.11.11

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8月に「新たな挑戦」としてブログで上げたお茶がついに出来上がりました。
パークハイアット 東京 ピーク ラウンジ で「プレシャス ティータイム」として11月限定で、「月ヶ瀬オータムナル」「月ヶ瀬烏龍茶」「蔵出しかぶせ煎茶」「蔵出し焙煎かりがね茶」と4種類のお茶を提案して頂いています。
それに合わせて「月ヶ瀬秋摘み紅茶のマカロン」も新しく追加しアフタヌーンティーのメニューに入りました。

今回私達の作った、お茶のテイスティングとお客様の評価が気になり、 ピーク ラウンジ にお邪魔致しました。」「蔵出しかぶせ煎茶」と「蔵出し焙煎かりがね茶」は定番である商品を1年間冷蔵庫で熟成させたお茶ですので、香りに深みが出、まろやかな味になるのが特徴です。
私達が心配していたのは、、「月ヶ瀬オータムナル」と「月ヶ瀬烏龍茶」でした、7月から紅茶・烏龍茶に適したお茶を選別し、 パークハイアット 東京 にふさわしい上品な香りと味わいのあるお茶を目指してチャレンジしてきました。

紅茶烏龍茶の様な発酵茶は茶葉自体が持つている香りを引き出していくソフトな製造です。
パークハイアット 東京 の皆様も茶摘みや製造にお手伝い頂き、本当にこの企画を成功させようという想いが伝わりました。

ピークラウンジのスタッフの方も試行錯誤の末それぞれに合ったマニアルをつくり出し、こだわりを持って淹れて頂いています。
つくり手と、それを提案するスタッフの方々の妥協しない想いがこの香りと味を創っているのだと、テイスティングした私は感動いたしました。

是非 パークハイアット東京 41F ピーク ラウンジ へお越しください。
http://tokyo.park.hyatt.jp/hyatt/hotels-tokyo-park/news-details.jsp?newsId=46935067

新たな挑戦

2012.08.23

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おかげさまで、4年前からパークハイアット東京・ピークラウンジで「最高級煎茶“大和茶”」として井ノ倉のかぶせ煎茶をお使い頂いております。ブランドを目指す私達としては、自分たちの軸となる場所と思っております。
今回ホテルからのご提案で紅茶と烏龍茶を秋の企画で提案したいというお話を頂き、チャレンジする事になりました。
昨年から緑茶機械を使って紅茶を作りましたが、また新しい商品として、ウーロン茶にも挑戦しするため、台湾製の炒青機(炒り蒸器)を購入しました。

大切なのは茶葉ですが、萎凋(いちょう)萎らせる事で茶葉特有の香りが出ます。
この機械を使うことにより、青句味を取り、微発酵のウーロン茶を作ることができます。
それと並行して紅茶機械も設置しました。
茶葉も緑茶のように元気で柔らかい葉を作るのではなく、香り立つ様な紅茶ウーロン茶にするため、別の茶園で自然農法茶園に取り組んでおります。
この特別な秋摘みオータムナルは、「蔵出しかぶせ煎茶とウーロン茶・紅茶」として パーク ハイアット 東京 の41階に位置する「ピーク ラウンジ」の11月限定メニュー「プレシャス ティータイム」のために、お使い頂く事になりました。

http://tokyo.park.hyatt.com/hyatt/hotels-tokyo-park/entertainment/dining_detail.jsp?itemDesc=fboutlet&itemId=1001059
上品なウーロン茶・紅茶を作るため、INOKURA第二工場で、私が在学しておりました、農林水産省茶業研究所の製造スペシャリスト深津修一先生と武田善行先生にお世話になり、テーター研修を行いました。
甘く香ばしい日本の微発酵茶は、最近の食文化に合いそうな予感がします。
これからも、香り味の可能性のあるかぎり挑戦を続けていきたいと思っています。

手摘み茶園かぶせ作業

2012.04.28

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今年は水分が豊富な上に4月の高温で茶の芽がすくすく伸びております。

5月6日に手摘み茶を行いますが、それまでの準備として7日間被服をします。
茶園にポールを立て黒い被服資材を覆って光合成を抑えるのですが、この作業にかなり手間がかかります。

8月のニ番茶が終ってから5月まで一年間手間を掛けて管理していきます。そうして、茶の葉は甘味を増し、あざやかな緑になるのです。

5月の茶摘みは言わば集大成、一年間で一番綺麗な姿を見せる時と言えるでしょう。
その瞬間を皆様に見て頂けるのは、私にとっても幸せなことです。
そして茶摘みを通じて皆様と触れ合える事が何よりもの楽しみです、心よりお待ちしております。
ティーファーム 井ノ倉

秋茶 

2011.10.10

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秋新茶とも言われますが、この時期に延びてくる新芽を摘採し来年の一番茶のために綺麗に整枝を行います。

INOKURAでは、二番茶摘採後3㎝程刈りこみその番茶を畝間にかり捨てます。そうすることにより、栄養分の残った大量の堆肥を敷き詰める事が出来ます。これにより環境保全型農業エコファーマーに認定され、有機肥料を主体とした、ふかふかの生きた土つくりを行っています。
このやり方を「浅刈り」と言い、奈良県で最初に先代が取り入れました。
関西では一番茶後の残り芽を3㎝程刈りこむ番茶が一般的ですが、それをしないで一番茶摘採後に残り芽だけを綺麗に刈り取り(浅刈り)、一番茶によく似た品質の良い二番茶が早い時期に生育するのが特徴です。そして二番茶摘採後3㎝程刈りこむという方法です。
その後に延びた芽が三番茶で、その芽が来年の一番茶の親となる大切な葉になります。
その葉の生育状況によって一番茶の品質が左右されます、ですから七月の摘採時期が終わっても八~九月は重要な時期になります。
次に伸びて来る四番芽が秋茶です。

秋茶の整枝が終わると、養分をしっかり蓄えた茶の木は冬に備えて葉っぱを固くしていきます。
今年の夏は雨が多く降りましたが雨は茶の木には良いのです。今年は特に生育が良いので来年の新芽の伸びが楽しみです。

2011/5/11 井ノ倉茶園茶摘み体験 IN TSUKIGASE

2011.05.14

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昨年の手摘み茶後、お客様から手摘み茶をやってみたいと希望される方が沢山おられたのと、
私自身も茶畑でお茶に触れて頂きながら、私のお茶がどのように作られるのか、お茶のことを少しでも理解して頂きたかったという想いから、近年、お近づきになれた方を中心に茶摘み体験のご案内をお出ししました。

茶園の管理は順調でしたが、予定日の11日の降水確率が日に日に高くなり、日程を延期するべきか、それとも少しだけ摘んで、畑を観ながらの昼食会をメインに実施しようかと悩んでいましたが、やはり皆さんがこの日のために予定を調整して参加頂くのですから、私達の日ごろの仕事ぶりをありのまま感じて頂く事が、今回の趣旨の沿っていると判断し予定どおり開催する事に致しました。

5月11日朝7時頃から皆さんが続々と茶園にお車でお越しになりました。
遠方は東京から、神戸、大阪、和歌山からも、また地元の奈良から、総勢80名の方にお集まりいただき、そこに月ヶ瀬の20名の方が参加して頂き、茶摘みがスタートしました。
「一芯二葉」という茶摘みの方法をお教えした後、茶摘みが始まりました。

さいわい雨は小降りになり、皆さんの様子は活き活きとされているように見えました。

お客様からの感想も良かったので少し安心しました。

雨にぬれた茶葉はつるつる光ってとてもきれいで、摘むと若い香りがします。
たちこめてきた霧は幻想的な雰囲気を演出してくれました。
お客様から「これからは煎茶を淹れる度に、茶畑の自然の中で出会った色や香り、音を思い出し、たくさんの事に感謝することになるでしょう」というメールも頂きました。
当日雨の中一生懸命摘んで頂いている姿、後日送られてくる御礼のお手紙やメールに感動しました。これらは、私たちにとっては大きな自信につながります。
このたび雨にもめげずに最後までしっかり収穫して頂いたこと、本当にありがとうございました。
井ノ倉茶園  井ノ倉光博 幸

手摘み茶の“かぶせ”作業

2011.05.04

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11 MAY 2011 IN MOMOGANO

5月11日に開催致します手摘み茶の準備の一つとして“かぶせ”という作業があります、これは光合成を抑えるため、茶の木の上に遮光率85%の黒い被服資材を覆う作業です。
こうすることにより茶の木の渋味が少なくなり、うま味(アミノ酸)が多くなるのです。

でもこの作業はとても手間がかかり、風が吹くと上手くいかず何回もやり直したりします。
実は光合成を抑えるので茶の木にも負担がかかるのです、ですから手摘みが終われば、深く刈り樹性を回復させ元気な親葉を育てそこから最高の新芽が創られるのです。

この日のために一年間茶園管理を行います。
この様に頑張っていてもきつい遅霜が来ると、柔らかい新芽は焦げてなくなってしまいます。
一番茶はとてもデリケートなのです。

5月11日は雨が降らないように祈っております。
11 MAY 2011 IN MOMOGANO

山笑う

2011.04.28

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やっと、4月になり春の陽気になりました。山の木々が芽吹いて生き生きとしている様子を“山笑う”と昔の人は上手くいったものですね。

1月から雨量が少なく、お茶の木に栄養が伝わりにくい状態だったのですが、4月に入ると“恵みの雨”が降って、例年通りに生き生きと萌芽してきています。畑全体に自然のエネルギーが満ち満ちてきました。
今年も良いお茶が収穫できそうです。
「自然」に感謝の気持ちで一杯になります。
今年は、5月11日に一番茶の手摘みを行いたいと考えています。
会費3000円で昼食をご用意しておりますのでご興味のある方のは4月30日までに
inokura-chaen.kcn.jpまでメールでご連絡下さい。

茶の木

2010.11.12

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今日は、茶園の改植(弱っている茶の木を植え変える作業)を行っていました。
この畑は36年間立派に茶の芽を吹き、初回茶園品評会で一等知事賞を頂いた畑です。その一部に大きな石があるため生育が悪い箇所をユンボで茶の木を抜く作業です。
良質な茶の木を作るには、根の張りが重要です、排水がよく柔らかい土があれば立派な茶の木が芽吹いてくれます。
自分が10歳の頃、この畑にお茶を植えるのに親やおじいちゃんや、沢山の人に手伝ってもらった記憶がよみがえり、弱った茶の木を抜く時、少し胸が痛くなりました。
背が低かった私は、今は亡きおじいちゃんの甚平(じんべい)を着ると足まであつたので、みんなに笑われた記憶が懐かしく思えました。
そして、抜くところを最小限にすることにしました。

神の瞬間

2010.11.10

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小学校の頃、お茶時期になると自宅の横にある茶工場からガチャンガチャンと精揉機(お茶の形をつける機械)の音と、甘い香りに引かれてよくのぞきに行っていました。もっと小さい頃は、刈り取られた茶の芽の中に入って遊んだ記憶があります。
幼い時に感じた新芽の香りとお茶を蒸した時の甘い香り、
私は今でもあの香りと機械音がここち良いのかもしれません。
緑茶を製造する工程で一番大切なのは“蒸し”です。
機械化された現在でも最適な“蒸し”を決めるのは人の感性です。

蒸し機は蒸気量・撹拌・角度で、設定しますが、最高の甘い香りと綺麗な色が出るところが一ヶ所しかありません、それを見つけ出せるのは人の感性。
それはまさしく、神が下りてくる様な一瞬の時なのです。